2020年3月27日金曜日にNHKで放送された
「チコちゃんに叱られる!」の内容が、
「春一番の秘密」という普段あまり考えたことがなかった話題だったので、
紹介したいと思います。
春一番といえば、春に吹く強めの南風くらいしか思わなかったのですが、
けっこう細かい基準や条件があったのです。
知っているようで知らない、風が吹く仕組みとは?
風はなぜ起こるのでしょうか?
それは気圧の差です。
風は空気が気圧の高い所から、低い所に移動することによって起こります。
地球には色々な環境があり、上昇気流と下降気流がおきて気圧の差が生じます。
それが低気圧(上昇気流)と高気圧(下降気流)となり
高気圧⇒低気圧に空気が移動して風になります。
※たまに低気圧は温度が高く、高気圧は温度が低いので温度差で風が吹く
と書いてある所がありますが、間違いです。暖かい夏の高気圧や温度の低い低気圧もあるのです。
身近なところで私たちの呼吸も
息を吐く時は、横隔膜などによって肺の体積が小さくなり、
肺の中の空気が圧縮されて気圧が外気よりも高くなり
肺(高気圧)⇒体の外(低気圧)のようになり息を吐きます。
春一番の条件とは?
春一番の基準は地域によって多少異なりますが、
気象庁によると関東の場合は
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以上の条件がそろった最初の風を「春一番」としています。
なんかけっこう厳しいんですね。(;^ω^)
なので春一番が吹かない年もあるらしいです。
春一番の秘密とは?
春一番とは「死を招く怖い風」
(;゚д゚)ゴクリ・・・
とっても怖い風だったのです。
1859年3月17日に春一番の発祥の地、
長崎県、壱岐島(いきのしま)の郷ノ浦港(ごうのうらこう)にて
漁に出ていた漁船が春に吹く強風に見舞われて転覆し、
53名もの死者がでる大惨事がおきます。
この事故によって、集落に70軒あった家の半数以上が
一家の働き手(男性)を失ったとされています。
そんな大事故が起こっていたとは知りませんでした(;^ω^)
現代の春一番のイメージとはかけ離れていますね。
全国に知れ渡ったきっかけは?
その後、民俗学者の「宮本常一」(みやもとつねいち)さんが
俳句の季語として「春一番」という言葉を「俳句歳時記」(はいくさいじき)で紹介しました。
それから気象庁が「南の強風」や「春を呼ぶ嵐」など
全国で表現がバラバラだった春の強風の名称を
- 春先に吹く強風⇒「春一番」
と国民に周知したのです。
本当は怖い風なのに今では陽気なイメージ、その理由は?
1976年にリリースされた
キャンディーズの「春一番」という曲が大ヒットしたため、
本当は怖いはずの春一番が明るいイメージになってしまいました。
この曲を作詞作曲した「穂口雄右」(ほぐちゆうすけ)さんによると
「春一番が吹くとそのあとに春が来る、
その春がとっても待ち遠しいイメージで曲を書いたが、
その後にそういう意味の言葉ではないという話を聞いた、
しかし、とくにまわりから異論が出てこなかったので」
とのことです。(;^ω^)
春一番の秘密まとめ
「春の訪れを告げる風」みたいな、陽気なイメージだった春一番ですが、
こんなに恐ろしい過去があったんですね。(;^ω^)
普段なんとなく使っていた言葉ですが大変勉強になりました。
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