2020年1月21日火曜日の22時30分からNHK総合1で放送される
「プロフェッショナル 仕事の流儀」の中で
獣医師の田向健一(たむかい けんいち)さんが紹介されます。
田向健一さんは大田区の田園調布にある
「田園調布動物病院」の院長さんです。
田園調布動物病院といえば犬、猫にとどまらず、
ウサギ、フェレット、ハムスター、鳥、ハ虫類、両生類など
生き物であれば基本なんでも受け入れてくれる動物病院で
全国から田向健一さんを頼ってお客さんが集まるそうです。
今回はそんな「田向健一」さんのプロフィールや、経歴を
紹介するのでは、普通過ぎるので(;^ω^)
田向健一さんが数々の動物を診察する中で
感染した個体をアジアで初めて発見し、
治療方法まで発見してしまった。
恐ろしい最凶の菌「カエルツボカビ」を紹介したいと思います。
最凶の菌!カエルツボカビってどんな菌?
真菌といわれるカビの一種でカエルやサンショウウオなどの両生類の皮膚に感染します。
そして、両生類の皮膚にあるタンパク質「ケラチン」をエサにして増殖します。
多くの両生類は呼吸をするのに肺よりも皮膚呼吸を多く使い、水分補給も皮膚でします。
そのため、皮膚がカエルツボカビに侵されると皮膚呼吸や浸透圧の調整が困難になります。
浸透圧の調整ができなくなると、体の筋肉を動かすのに必要な電解質(カルシウム、ナトリウム、カリウム)という栄養素の循環を阻害されます。
そうなると体を動かすことも困難になり、筋肉のかたまりである心臓の動きも阻害されます。
当然感染したほとんどの両生類が死に至ります。
水を介して感染するため、
同じ池に住んでいるカエルが全滅することも珍しくありません。
カエルツボカビが世界中で大暴れ!
カエルツボカビによる被害は世界中に広がり、
100種類ほどのカエルが絶滅し、さらに別の100種類近くのカエルも個体数が10分の1に減少したとされています。
100匹じゃなくて、100種類ですよ?とんでもない殺傷力と感染力ですね。(;^ω^)
最近の研究では控えめにいって、500種類ものカエルがカエルツボカビによって数が激減したそうです。
さらに、地球上にはいまだに発見されていない種類のカエルもおり
そういった未発見のカエルは発見される前に絶滅してしまう可能性もあるそうです。
カエルツボカビ恐るべし!(/ω\)
発信源はアジアの可能性が高い!
世界中の研究者が集まった研究チームの発表によると、
カエルツボカビの発信源は朝鮮半島の可能性が高いとされています。
そこから人の手によって、医療用や食用、はたまたペットとしての商業目的など
様々な理由で世界中に広まりました。
日本でも様々な外来種が問題になっていますが、菌まで外来種が問題になるとは
本当に生態系というのは絶妙なバランスで成り立っているんだと再認識させられますね。(;^ω^)
そして、ついに日本でも最凶の菌「カエルツボカビ」に侵されたカエルが発見されます。
ついに日本にも魔の手が!
2006年、獣医師である田向健一さんは当時世界中で猛威を振るっていた
カエルツボカビ症と似た症状のペットのカエルを何匹か診察したそうです。
そして「まさか違うだろう」と思ったが、念のために
カエルツボカビと似た症状で死んだ、カエルの検査を大学に依頼したところ
まさにカエルツボカビが原因と判明したそうです。(;^ω^)
田向さんは当時自分の病院で預かっていた、カエルツボカビに侵されたカエルを治療しようとした時
周りからは、「危険な菌だからカエルを処分しろ」とか「そこから日本中に感染したらどうするのか?」
といった批判があったそうですが、このカエルをかわいがっている飼い主の気持ちを考えると
「カエルを処分するわけにはいかない」と考え、治療に専念したそうです。
そして、カエルに感染するカビということで、同じ生き物である人間に感染するカビ「水虫」の治療薬を試してみた結果、
見事にカエルツボカビ症のカエルを治療できたのです。
動物に対する愛情と未知の菌に対する対処法がすばらしい!(^ω^)
日本中の在来種から最凶の菌が!
田向さんが日本でカエルツボカビに侵されたペット用のカエルを発見した後、
日本の研究者や環境省が日本中のカエルを調査したところ、
日本の在来種のカエルからカエルツボカビが検出されました。
ついに日本のカエルも絶滅してしまうのか!?(/ω\)
と思われましたが、どうやら日本のカエルは元々カエルツボカビに対する耐性があったらしく
特に問題なく生息しているとのことです。
ε-(´∀`*)ホッ
朝鮮半島から発生したと考えられるカエルツボカビですが、
日本にも古来から存在していた可能性が高いですね。
最凶の菌「カエルツボカビ」まとめ
私たちも世界の生態系を維持するために色々と考えなくてはなりませんね。
つい最近は日本でペットとして大人気の「コツメカワウソ」がワシントン条約により
取引禁止になりましたが、目に見える動物だけでなく
菌までも問題になるとは・・・(;^ω^)
異国の珍しいペットを飼育することは素晴らしいことかもしれませんが、
人間は責任を持つ必要がありますね。
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